次に、LINE Messaging APIのもう一つの機能「Push API」の魅力や可能性についてご紹介します。
LINEのサービスが「LINE公式アカウント」に統合された際に料金プランが見直され、月額の基本料金は安くなりました。しかしながら、配信数に比例して料金が増えていく「従量課金」となったことで、登録数が多く配信頻度の高いLINE配信者が従来通りの運用をすると、月額料金が何倍にも膨れ上がってしまいます。
<LINEの旧プラン(LINE@)>
プラン | 料金 | メッセージ配信数 |
---|---|---|
フリー | 0円 | ターゲットリーチ数 1,000通 |
ベーシック | 5,400円 | ターゲットリーチ数 5,000人以内 無制限 |
プロ | 21,600円 | ターゲットリーチ数 100,000人以内 無制限 |
プロAPI | 32,400円 | ターゲットリーチ数 100,000人以内 無制限 |
<LINEの新プラン(LINE公式アカウント)>
プラン | 料金 | メッセージ配信数 |
---|---|---|
フリー | 0円 | 1,000通 |
ライト | 5,000円 | 15,000通、それ以上は1通5円 |
スタンダード | 15,000円 | 45,000通、それ以上は1通〜3円 |
登録者20,000人のLINEアカウントで一斉配信すると、旧プランでは何通送ろうが月額21,600円の固定でしたが、新プランでは20,000人への一斉配信を月に4回行うだけで、12万円もかかってしまいます!

費用を抑えるための運用方法として、LINE社はターゲットを絞って配信する「オーディエンス」という機能を利用することを推奨しています。

オーディエンスの機能を活用すると、例えば登録者20,000人のうちの特定の属性(グループ)の1,000人にだけ配信する、という配信ができるため、ニーズのあるユーザーにだけ無駄なくピンポイントで情報を届けることも不可能ではありません。
さて、Messaging APIに話を戻しましょう。Push API(プッシュ配信)は、このような「特定の人にだけピンポイントでメッセージを配信する」という配信を得意としていて、Push APIを応用すると、特定の属性の人にステップメールのようにメッセージを複数回に分けて配信する、という使い方もできます。
ステップメールとは、「事前に設定したスケジュールで」「事前に作成したメールを」「自動で」配信する仕組みです。ユーザーへのフォローアップや、セールス・マーケティング手法として利用されています。
ステップメールのようにLINEメッセージを送るサービスはすでに存在し、LINE Messaging APIのPush APIを使って開発されています。市販のステップ配信サービスは汎用的な作りのため、「痒いところに手が届かない・・」ともどかしい想いをすることがあり、また、有料のものがほとんどのため、配信料以外の費用も気にしなければなりません。
もし、Push Messageの機能を使って独自サービスに完全カスタマイズされた仕組みを作ることが出来たなら・・。
Push Messageは、LINE Botと同様に、アイデア次第でその可能性は無限に広がります。研究してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。