「DXを進めたい」「IT化したい」「デジタル化したい」「自動化したい」——
現場でこの4つの言葉がごちゃ混ぜに使われている場面を、何度も見てきました。
言葉が混ざると、やるべきことの解像度が下がり、
結果として「高いツールを入れたけど使われない」「思ったほど効果が出ない」という失敗につながりがちです。
まずは整理:DX・IT化・デジタル化・自動化の違い
| 用語 | 意味(現場目線) | よくある例 |
|---|---|---|
| デジタル化 | 紙・FAXなどをデータに置き換える | 紙の申請書をPDF化 |
| IT化 | 業務をシステムに乗せる | Excel管理をWebフォーム化 |
| 自動化 | 人の手作業を減らす | 自動通知、PDF自動生成 |
| DX | 業務フローそのものを作り替える | 受付〜管理〜履歴の再設計 |
この4つは上下関係ではなく、段階的に積み重なってDXに近づくイメージです。
「それ、DXじゃないよね…」と感じた瞬間
補助金絡みの打ち合わせで、
「紙の書類をPDFにしました。これでDXです!」
と言われたことがありました。
もちろん、紙→PDFは意味のある改善です。
ただしそれはDXではなく「デジタル化」です。
業務フロー自体は何も変わっていません。
このズレがあると、
「DXやったのに、全然楽になっていない」
という不満が生まれやすくなります。
DXと呼べる/呼べないの境界線(実例)
特殊用途車両メーカーの受発注フロー改善
以前、キャンピングカーなどを製造する企業様から、
商品・部品の注文/見積もりをWebで完結させたいという相談を受けました。
従来の流れは、
- Webに掲載された商品リストを確認
- FAXで見積・注文
という二段階+人依存のフローでした。
これを、
- Webで商品を選択
- 数量を指定
- そのまま見積/注文
- PDFの見積書・注文書を自動生成
- マイページで履歴管理
という形に再設計しました。
この案件は、
- FAX → Web(デジタル化)
- 受発注のシステム化(IT化)
- PDF自動生成(自動化)
を積み重ねた結果、
「受発注の業務フローそのものが変わった」ため、
DXと呼んで差し支えないケースです。
ただし、現場の体感としては「FAXがなくなって楽になった」程度。
DXという言葉を使わなくても、価値は十分に伝わります。
用語が整理されると、プロジェクトは進みやすくなる
この案件でも最初は「DXをやりたい」という相談でしたが、
実際にやるべきことを分解すると、
- まずはFAXをやめたい(デジタル化)
- 受発注をWebで完結させたい(IT化)
- 書類作成を楽にしたい(自動化)
という具体的な要望に落とし込めました。
言葉を整理すると、やるべき実装が一気に明確になります。
DXを目指す前に、まずは「一番しんどい作業」から
中小企業の現場では、いきなりDXを目指すより、
- 一番しんどい作業を1つだけ改善
- 現場に慣れてもらう
- 効果が出たら次へ
という進め方の方が、定着率も成果も高くなります。
Edel Heartsのスタンス
エーデルハーツでは、DXという言葉に引っ張られず、
やりたいことを分解し、必要な段階から実装します。
WordPressを主軸にしつつ、要件に応じて外部サービスやAPIも組み合わせ、
小さく始められるスモールスタートを前提にご提案しています。
「DXをやりたい」ではなく、「この作業がしんどい」でもOKです。
※ 次回の記事では「WordPressで業務改善すべきケース/しない方がいいケース」を現場目線でまとめます。

