「デザインは完成、でもフォームの”中身”が作れない」
Webサイトのデザインは、HTMLやCSSできれいに完成している。でも、入力内容を確認画面へ渡し、送信を受け取り、確認メールを送り、データを保存する――そうしたフォームの”裏側”を作れるエンジニアがいない。制作会社やデザイナー、サイト担当者が、この壁でよく手が止まります。とくに病院・クリニックのWeb問診や受付フォームは、見た目だけでは動かず、地味だけれど確実な機能が必要です。
今回の開発事例レポートは、病院のWebサイトから「問診・受付フォームの機能だけを作ってほしい」とご依頼いただいた案件です。
結論からお伝えすると、完成済みのデザインに「フォームの機能だけ」を後付けすることは可能です。今回は、入力→確認→完了のステップ式で進むWeb問診・受付フォームを実装し、受診希望日時(直近2週間・時間帯)も選べるようにしました。送信内容はメールで通知され、管理画面の一覧・CSV出力にも対応しています。じつは技術的な難所は多くなく、むしろ「仕様を適切に絞る提案」が価値を生んだ案件です。
ご相談:デザインは完成済み、フォームの機能だけ作ってほしい
ご相談時点で、サイトのデザインはHTML・CSSで構築済みで、独立したファイル一式としてお預かりしました。実際にお預かりしたのが、次のようなファイル群です。入力画面(index.html)、確認画面(confirm.html)、完了画面(thanks.html)といった、入力→確認→完了の流れがデザインとして用意されていました。

足りなかったのは、このデザインに命を吹き込む機能の部分です。フォーム送信後の処理やメール通知、データの保存といったシステム側を担当できるエンジニアが社内におらず、「機能開発だけをお願いしたい」というご依頼でした。デザインと機能を分業する、という進め方です。
提案:受診希望日時は「直近2週間先まで」に絞った
フォームの中で受診希望の日時を選ぶ部分は、こちらにお任せいただいたので、まず考えたのは「どこまで先まで選べるようにするか」でした。結論として、直近2週間先までを選べる仕様をご提案し、採用いただきました。

これは、はるか先まで日時を指定する必要のない業務だったからです。選べる範囲を無限に広げると、UIも実装も運用も複雑になり、かえって使いにくくなります。実際の運用に必要な範囲へ絞るほうが、作る側にとっても使う側にとってもシンプルで快適です。言われたものをそのまま作るのではなく、「そこは要らないのでは?」と過剰な作り込みを削ぐのも、提案の大事な仕事だと考えています。
作った機能:ステップ式のフォームと、運用のための一覧・CSV
実際に実装したのは、大きく次の2つです。使う人(患者さん)と、運用する人(病院スタッフ)の両方が、無理なく使えることを意識しました。
- 患者さん向け:入力→確認→完了で進むステップ式のフォーム。受診希望日時は、直近2週間分と時間帯をテーブルから選べます
- スタッフ向け:管理画面で提出内容を確認できる一覧ページと、データのCSVダウンロード機能
一覧とCSV出力を付けたのは、運用目線でのご提案です。フォームを受け付けるだけでなく、スタッフが管理画面で提出状況をまとめて確認でき、必要に応じてCSVに書き出して他の業務にも使える。「受け付けたあと、どう扱うか」まで考えると、システムはぐっと実用的になります。

正直な”手戻り”:後から出た「戻るボタンで状態を保持したい」
今回は技術的に大きな難所はなかったのですが、一つだけ正直にお話しします。当初の設計には「戻るボタン」がありませんでした。ところが開発が進んだあとになって、「入力の途中で戻ったときに、それまで入力した内容を保持しておきたい」というご要望が加わり、一部で手戻りが発生しました。
これは責めるような話ではなく、開発では「実際に動くものを触ってから、本当に必要な要件が見えてくる」ことがよくある、という現場のリアルです。だからこそ私たちは、早めにプロトタイプを見ていただき、こうした”後から出てくる要望”をなるべく早い段階で引き出すようにしています。仕様は、最初から完璧には固まらないものだという前提で進めるのが、結局は近道です。
実装の分担:機能はプラグイン、デザイン統合は子テーマ
実装は、子テーマの拡張とプラグイン開発を組み合わせる形にしました。役割分担は自然で、フォーム機能そのもののロジックはプラグイン側にまとめ、完成済みのデザインをWordPressに反映していく部分は子テーマ側で対応しています。
機能をプラグインに切り出しておくと、テーマ側が重くなりすぎず、あとからの管理もしやすくなります。デザインは先方、機能はこちら、という分業でも、この構成なら無理なくかみ合わせられます。
成果:電話が減り、受付・問診の管理がラクに
正直にお伝えすると、件数やCVといった数値のフィードバックはいただけていません。ただ、Webから問診・受付が完結できるようになったことで、電話や紙でのやり取りが減り、受付まわりの管理がぐっと楽になったことは間違いありません。管理画面で提出内容を一覧でき、CSVにも書き出せるので、スタッフの手作業も軽くなっています。「見た目は完成していたサイト」が、ようやく”使えるサイト”として動き出した、という手応えのある案件でした。
まとめ:「デザインはあるが機能がない」は、機能だけ足せる
「デザインは完成しているのに、動きの部分を作れる人がいなくて止まっている」という状況は、制作会社やデザイナー、サイト担当者の方から本当によくお聞きします。今回のように、完成済みのデザインへ、問診・受付フォームなどの機能だけを後付けで実装することは十分に可能です。しかも、必要な範囲に仕様を絞り、運用まで見据えて作れば、シンプルで使いやすい仕組みになります。
私たちEdel Heartsは、「デザインはあるので、機能だけ作ってほしい」という機能開発のみのご依頼も歓迎しています。制作会社・デザイナーの黒子(バックエンド担当)として、表に出ずに難しい実装を引き受けることも得意です。「この動き、作れる人がいない」という段階のご相談で大丈夫です。まずはお聞かせください。
- 機能開発だけのご相談(デザインは自社・他社でOK):WordPressカスタマイズ・プラグイン開発
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