制作会社と連絡が取れず、サイトが「放置状態」になっていませんか
「作ってもらった制作会社と連絡が取れない」「担当者が辞めて引き継ぎがない」「そもそもログイン情報がわからない」。WordPressサイトを持つ事業者から、こうしたご相談は本当に多く寄せられます。手を入れたくても入れられない放置サイトは、見た目以上にリスクを抱えています。
この記事では、放置されたWordPressサイトの保守移管・引き継ぎの進め方と注意点を解説します。

放置サイトが抱えるリスク
連絡が取れない・触れない状態を放っておくと、次のような問題が起きます。
- 更新が止まり、脆弱性が放置されて改ざんや乗っ取りの標的になる
- ドメインやサーバーの契約者・支払いが不明で、ある日失効する
- トラブルが起きても、誰も直せない
- 会社情報やサービス内容を変更したくてもできない
特に怖いのがドメインやサーバー契約の失効です。気づかないうちに契約が切れると、サイトもメールも一斉に止まってしまうことがあります。
まず確認すべきこと(運営者向け)
引き継ぎの第一歩は、現状の把握です。手元の情報を確認しましょう。
- ドメインの契約会社・更新者・支払い方法
- サーバーの契約会社・ログイン情報
- 過去のメールや書類に残る管理情報
- WordPress管理画面に入れるかどうか
断片的でも構いません。わかる範囲の情報を集めておくと、引き継ぎがスムーズになります。
まずは現状把握から
放置サイトは脆弱性・契約失効・対応不能といったリスクを抱えます。まずはドメイン・サーバー・管理情報の現状把握から。ここからは、情報が乏しくても進められる引き継ぎの手順を解説します。

保守移管・引き継ぎの進め方
ログイン情報が不明でも、調査からの引き継ぎは可能です。
1. 現状を調査して全体像をつかむ
公開情報やDNS、サーバーの手がかりから、どこで何が動いているかを調査します。少なくともサーバーのコントロールパネルなど最低限のアクセス権をいただければ、引き継ぎ資料がない状態でも、専門家であれば構成を把握して進められます。
2. アクセス権を確保し、バックアップを取る
サーバーやデータベースへのアクセスを確保したら、まず現状をまるごとバックアップします。何をするにも、戻せる状態を作るのが先決です。
3. 棚卸しと安全化を行う
使われているテーマ・プラグインを棚卸しし、更新やセキュリティ対策で安全な状態に戻します。必要に応じて、管理しやすいサーバーへ移管することもあります。
4. 継続できる保守体制を作る
引き継いだら、二度と「放置」に戻らないよう、更新・バックアップ・監視を含む保守体制を整えます。詳しくはWordPressの保守費用と選び方をご覧ください。
実際のサーバー移管・引き継ぎの現場から
これまで、ロリポップからエックスサーバーへ、AWSからエックスサーバーへ、といったサーバー移管を手がけてきました。また、もともと依頼していた制作会社と連絡が取れず、私たちのところへ引き継ぎのご相談が来るケースも何度かありました。現場で得た、いくつかの実務的なポイントを紹介します。
AWSからの移管:高機能なサーバーが、必ずしも最適とは限らない
印象的だったのが、AWSからエックスサーバーへの移管です。あるサイトは別の業者がAWS上に構築していましたが、アクセスが集中するとページの読み込みが遅くなり、ときにはサーバーがダウンすることもありました。ダウンに備えて、自動でコマンドが実行される、といった作り込みまでされていたほどです。
経験上、AWSのように自前でサーバーを立てる構成は、チューニングやリソースが不足すると不安定になりやすい傾向があります。一方、エックスサーバーのような高速レンタルサーバーは、データベースやPHPがあらかじめ最適化されています。そこで、普段のアクセス状況を分析し、標準的なプランでもダウンしないと試算したうえで移行を提案しました。結果は大正解で、コストも大きく下がり、今も安定して稼働しています。「高機能なサーバー=最適」とは限らないのです。
移行する時間帯も、現場に合わせて判断しました。このサイトは学生の利用が多かったため、あえて夜間ではなく利用の少ない早朝に作業。「夜間が安全」と決めつけず、実際のアクセス状況から判断するのが大切です。実際にお客様へは、早朝の作業開始と、移行中のデータ不整合を防ぐためのメンテナンス表示(管理者のみアクセス可)を、次のようにご提案しました。

なお、この移管は長くお付き合いがあり、サイトの構造をこちらが把握していたため、比較的安価で対応できました。費用は、既存の状況をどこまで把握できているか、移管の内容や規模によって変わります。
DNSの切り替えは「すぐには反映されない」
サーバー移管でよく誤解されるのが、DNS(ドメインの接続先)の切り替えです。切り替えは即座に反映されるわけではなく、世界中に浸透するまで時間がかかります。そのため作業には余裕を持った時間が必要で、お客様にも「切り替え後しばらくは反映待ちの時間がある」とあらかじめお伝えしておくほうが安全です。ここを共有せずに進めると、「いつまで経っても切り替わらない」と不安にさせてしまいます。実際の移行では、アクセスする人によって新・旧どちらのサイトが表示されるかが変わるため、その状況もお客様へ具体的にご説明しました。

メールの送受信設定でつまずきやすい
サーバー移管では、サイトの表示だけでなくメールを正しく送受信するための設定に工夫が要ります。ここを見落とすと、移管後にメールが届かない・送れないといったトラブルになりがちです。表示の移行とメールの移行は、分けて丁寧に確認します。
意外な壁:管理画面の2段階認証
引き継ぎで案外苦労するのが、コントロールパネルへの管理者ログインです。セキュリティのために2段階認証が設定されていると、こちらが作業したいタイミングでログインできないことがあります。最近では、作業時だけ一時的に2段階認証を解除していただき、作業完了後に元へ戻していただくという形で進めることが多いです。安全と作業のしやすさを、その都度すり合わせています。
注意:自己流で触ると停止のリスク
放置サイトは構成が不明なことが多く、むやみに触ると表示が崩れたり、サイトが止まったりすることがあります。特にサーバー移管は、メールやDNSも絡むため慎重さが必要です。バックアップと現状把握をせずに進めるのは危険です。
まとめ:情報がなくても、引き継ぎはできる
放置されたWordPressサイトでも、調査 → アクセス確保 → バックアップ → 安全化 → 保守体制づくりの順で引き継ぎは可能です。大切なのは、現状を壊さずに進めることと、二度と放置しない仕組みを作ることです。
私たちEdel Heartsは、他社制作・ログイン情報が不明なサイトの引き継ぎや保守移管に数多く対応してきたWordPress専門チームです。「どこから手をつければいいかわからない」という段階でも問題ありません。まずはお気軽にご相談ください。
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