AIチャットボットの料金を調べ始めると、多くの方が途方に暮れます。月2,000円のものから月30万円のものまであり、しかも課金の仕組みが会社ごとにバラバラだからです。
この記事では、13社の料金体系を調査した結果をもとに、費用相場の全体像と「料金表の読み方」を解説します。当社もAIチャットボットを提供しているので、自社の実額(初期6万円+月14,800円)も包み隠さず公開し、どの価格帯に何が含まれるのかを正直に整理します。
費用相場の全体マップ(4つの価格帯)

まず全体像です。AIチャットボットの費用は、大きく4つの帯に分かれます。
- シナリオ型(月2,000円〜1万円台)——選択肢ボタン式。安いがAIではなく、想定した質問にしか答えられない
- 生成AI型・中小向けSaaS(月1.5万〜8万円)——自社の情報に答えるAI。中小企業の現実的な選択肢はここ
- エンタープライズ(初期30〜100万円+月10〜30万円)——FAQ設計や運用コンサルまで込みの大型導入
- 自前構築(年1万円台〜+自分の工数)——プラグインや自作。最安だが、設定・精度調整・保守が全部自分の仕事になる
なぜ比べにくいのか:課金の「軸」が会社ごとに違う
相場が分かっても料金表が比べにくいのは、各社が違うものさしで課金しているからです。実在するパターンを挙げます。
①ページ数課金——AIに覚えさせるページ数で価格が変わる方式。例えば50ページで月5,500円、300ページで月28,050円。サイトが育つほど料金が上がるため、将来のページ数で見積もる必要があります。
②プラン・機能課金——入口は月1,980円でも、生成AI機能を使うと月54,000円〜、という段差型。「チャットボット月1,980円〜」の広告表記だけでは判断できません。
③方式課金——シナリオ型なら月9,800円(年契約のみ)、生成AI型なら月80,000円のように、AIの賢さで価格が分かれる方式です。
④従量課金——月15万円〜+利用量に応じた追加費用。社内ナレッジ用途など大規模向けに多い方式です。
どの会社がどの方式かは、実名の比較表を載せた比較記事にまとめています。
見落としがちな「3つの追加費用」
1. AI利用料が込みか、別か。生成AI型は回答のたびにAIの利用料(API費用)が発生します。これが月額に含まれる会社と、自分でAPIキーを取得して別払いする会社があります。別払いの場合、アカウント管理・残高管理も自分の仕事です。
2. 「初期費用0円」の意味。初期0円はお得に見えますが、多くの場合「初期設定はご自身でどうぞ」という意味です。資料の整理・登録・精度調整を誰がやるのかは、金額より重要な確認ポイントです。逆に初期費用がある会社は、その中身(構築代行・チューニング)を確認しましょう。
3. 契約の縛り。最低6ヶ月契約、年契約のみ、といった縛りは珍しくありません。月単位で解約できるかは、「試して合わなければやめる」ができるかどうかの分かれ目です。
【実額公開】当社の場合:初期6万円+月14,800円
相場を語るなら自社も開示すべきなので、実額を書きます。当社のEdel AI Hybrid Chat(WordPress専用・RAG型)は初期費用60,000円+月額14,800円(税込)。1年間の総額で237,600円です。
月額にはAIの利用料(月3,000回まで)・サーバー運用・保守・資料の更新代行まで含まれ、APIキーの取得は不要です。初期費用の中身は導入代行で、資料の整備・登録・精度チューニング・検収までを当社側で行います。つまり「初期0円=自分でやる」の逆側の設計です。生成AI型の帯(月1.5万〜8万円)の下限に近い価格で、込み込みにしている——というのが正直な自己紹介です。
1年総額で比べる(見積もりの型)
| 選択肢 | 1年総額の目安 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| シナリオ型SaaS | 約2.4万〜12万円 | ツールのみ(AIなし) |
| 生成AI型SaaS | 約20万〜100万円 | 会社により構築代行・AI利用料の有無が分かれる |
| エンタープライズ | 150万〜460万円 | FAQ設計・運用コンサル込み |
| 自前構築(プラグイン) | 1〜2万円+自分の工数 | ツールのみ。構築・調整・保守は自分 |
比べるときの鉄則はひとつ、「月額」ではなく「1年総額+そこに含まれる作業」で並べることです。月額が安くても、AI利用料が別・構築が自分・6ヶ月縛り、を足すと逆転することは珍しくありません。
契約前のチェックリスト5項目
- AI利用料(API費用)は月額に込みか別か。別なら誰が管理するか
- 初期構築(資料整理・登録・調整)は誰がやるのか
- 回答の上限(回数・ページ数)と超過時の扱い
- 答えられない質問への振る舞い(嘘をつかないか・人へつなげるか)
- 契約の縛り(最低期間・解約条件)
よくある質問
Q. 無料で使えるチャットボットではだめですか?
「チャット窓を置くだけ」なら無料でも可能です。ただし自社の情報に正確に答えさせる機能は各社とも有料の領域です。詳しくは無料プラグイン5選の記事で検証しています。
Q. 従量課金が怖いのですが、費用が青天井になりませんか?
回数上限つきの定額プラン(超過時は事前案内)を選べば、青天井は避けられます。API従量を自分で払う方式の場合は、利用上限の設定(プロバイダー側の機能)を必ず入れておきましょう。
Q. 自作すれば一番安いのでは?
ツール代だけ見れば最安ですが、開発と調整の人件費を含めると逆転します。当社が実際にRAGチャットボットを自作したときの経験を自作の現実の記事に書いているので、検討中の方はご覧ください。
まとめ:相場より「何が含まれるか」
AIチャットボットの費用は、シナリオ型の月数千円から、エンタープライズの月数十万円まで幅があります。中小企業の現実解は生成AI型SaaS(月1.5万〜8万円)の帯で、この中での違いは金額よりも「AI利用料込みか・構築を誰がやるか・嘘をつかない設計か」に表れます。
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