2026年10月14日、WordPressのブロックエディターを先取りで試せるプラグイン「Gutenberg」の24.2が公開されました。いちばん大きな変更は、画面を動かす部品「React」が、初期状態で新しいReact 19に切り替わるようになったことです。

結論から書くと、影響を受けるのは「Gutenbergプラグインを入れているサイト」だけで、WordPress本体(2026年10月時点の7.1系)はReact 18のままです。Gutenbergプラグインを入れていない一般的なサイトは、今すぐ何かをする必要はありません。入れているサイトは、ブロックエディターや、Reactを使うプラグインの設定画面が普段どおり動くかを確認してください。当社でも手元の開発環境で試したので、その結果もあわせて書きます。

Gutenberg 24.2とは?WordPress本体の更新とは別物

Gutenbergは、WordPressのブロックエディターを開発しているプロジェクトの名前で、同じ名前のプラグインとして配布されています。プラグインを入れると、数か月後にWordPress本体に入る予定の機能を、先に試せるしくみです。新しい版はおよそ2週間ごとに出ます。

つまり、Gutenberg 24.2は「WordPress 24.2」ではありません。管理画面の「ダッシュボード → 更新」に出るWordPress本体の更新とは別に、プラグインとして入れたサイトにだけ届く更新です。「WordPressがReact 19になった」という意味ではないので、注意してください。

プラグインを入れたサイトだけがReact 19に切り替わり、WordPress本体だけのサイトはReact 18のままという違いを示すイメージ

最大の変更点:React 19が初期状態で有効に

Reactは、ブロックエディターをはじめ、管理画面の多くの画面を動かしているJavaScriptの部品です。WordPress本体は今もReact 18.3を使っています。もともとReact 19への切り替えはWordPress 7.1で予定されていましたが、古いReactと新しいReactが混ざったときの問題や、プラグインのReactの使い方による問題が見つかり、7.1では見送られ、Gutenbergプラグインの「実験的な機能」として試す形になっていました(2026年7月の公式発表)。

24.2では、この実験的な機能が初期状態でオンになりました。できるだけ多くのサイトでReact 19を動かし、WordPress本体に入れる前に問題を見つけるためです。ただし、次の場合はReact 18のままになります。

  • React 19で動かなくなると分かっているテーマやプラグインが、有効化されている場合
  • サイトの管理者が、実験的な機能の設定でReact 19をオフにした場合

React 18のままになるテーマ・プラグイン(当社で配布ファイルを確認)

公式の発表には「互換性に問題のあるテーマやプラグイン」とだけ書かれていて、どれが対象かは載っていません。そこで、公式の配布ファイルを取り寄せて中身を確認しました。対象として書かれていたのは、テーマ2つとプラグイン22個です。

種類 React 18のままになる対象(2026年10月14日の24.2時点)
テーマ Divi(全バージョン)、WoodMart(8.6.1未満)
よく使われるプラグイン Forminator、Starter Templates(astra-sites)とPremium Starter Templates、Stackable、Ultimate Blocks(3.6.0未満)、WP Table Builder
そのほかのプラグイン Adminify、Advanced Coupons for WooCommerce(無料版・有料版)、Beehive Analytics、Brave Popup Builder(無料版・Pro)、Classified Listing、Echo Rewards、Iron Security、LLMs Full TXT Generator、Mail Mint、MeetingHub、SB Analytics Pro、WP Encryption Pro、WP Post Author、XSpeed

判定は、そのテーマやプラグインが「有効化されているか」と「バージョン」で行われます。WoodMartとUltimate Blocksは、修正済みのバージョン以上ならReact 19になります。残りは「まだ修正されていない」扱いで、どのバージョンでもReact 18のままです。このリストは、WordPress.comでの観察をもとに作られ、今後の版で増えたり減ったりする可能性があります。

当社の開発環境で試した結果

当社の開発環境(WordPress 7.1.2、PHP 8.2)にGutenberg 24.2を入れて、実際に何が変わるかを確認しました(2026年10月17日)。

状態 読み込まれたReact ブロックエディター
WordPress本体だけ 18.3.1 ―(当社サイトはクラシックエディター)
Gutenberg 24.2を有効化(初期状態) 19.3.0 開ける・ブロックを追加できる
実験的な機能でReact 19をオフ 18.3.1 開ける・ブロックを追加できる
対象リストのプラグインを有効化(テスト用) 18.3.1(自動) ―

当社が自作しているプラグイン「AIオートメタ」は、ブロックエディターの右上のメニューに項目を追加する作りで、WordPressが用意するReactの部品を使っています。React 19の状態でも、このメニューは正しく登録され、エディターも普段どおり動きました。

一方で、ブラウザの開発者向けの画面(コンソール)には、次のような注意書きが出ていました。

  • React 19でなくなった内部の部品に、どこかのプラグインがアクセスしていて、互換の仕組みで補っている
  • 関数のコンポーネントに初期値を設定する古い書き方(defaultProps)が使われていて、互換の仕組みで補っている

配布ファイルを読むと、Gutenberg 24.2のReact 19には、React 19で廃止された書き方を補う「互換の仕組み」が組み込まれていました。古い書き方のプラグインでもすぐには止まらず、注意書きを出しながら動かす作りです。止まるほどの問題があると分かっているものだけを、上のリストでReact 18に戻している、と考えると分かりやすいと思います。

不具合が出たときの確認と対処

Gutenbergプラグインを入れているサイトで、更新後に次のような症状が出たら、React 19の影響を疑ってください。

  • ブロックエディターが真っ白になる、読み込みが終わらない
  • 特定のブロックを追加すると「このブロックでエラーが発生しました」と出る
  • プラグインの設定画面(Reactで作られたもの)が表示されない、ボタンが反応しない

対処の手順は次のとおりです。

  • まずバックアップを取る(問題の切り分け中に設定を変えるため)
  • 管理画面の「設定 → Gutenberg」を開く(以前の「Gutenberg → Experiments」のURLからも転送されます)
  • 一覧の下のほうにある「React 19」のスイッチをオフにする
  • 症状が消えれば、原因はReact 19への切り替え。そのテーマやプラグインの開発元に報告し、修正版を待つ
  • 症状が消えなければ、React 19とは別の原因。Gutenbergプラグインを無効化して、症状が変わるかを確認する

そもそも、本番のサイトにGutenbergプラグインを入れておく必要がないなら、外してしまうのがいちばん確実です。Gutenbergプラグインは新機能を先に試すためのもので、WordPress本体のエディターは、プラグインなしでも十分に動きます。新しい機能を試したい場合は、本番とは別の検証用の環境で試すことをおすすめします。方法はWordPressのベータ版を安全に試す方法で紹介しています。

ここまでのまとめ

  • Gutenberg 24.2で、React 19が初期状態で有効になった。WordPress本体(7.1系)はReact 18のまま
  • 影響を受けるのは、Gutenbergプラグインを入れているサイトだけ
  • Divi・Forminatorなど、動かないと分かっている22のプラグインと2つのテーマがあれば、自動でReact 18のまま
  • 不具合が出たら「設定 → Gutenberg」でReact 19をオフにできる

ここから先は、テーマやプラグインを作っている方向けの内容です。

開発者向け:React 19に備えて確認したいこと

React 19の切り替えは、Gutenbergで問題を集めたうえで、いずれWordPress本体に入る予定です。どの版で入るかは、2026年10月17日時点ではまだ発表されていません。自作のブロックや、Reactで作った管理画面があるなら、今のうちに次の点を確認しておくと安心です。

  • ReactDOM.render・hydrate・unmountComponentAtNode・findDOMNode を使っていないか(createRoot と ref に書き換える)
  • 関数のコンポーネントやmemo()で defaultProps を使っていないか(引数の初期値に書き換える)
  • React本体を自分のプラグインに同梱していないか(WordPressが用意する react・wp-element を使う)
  • React の内部の部品(SECRET_INTERNALS)に触れるライブラリを使っていないか
  • inert 属性に空の文字列を渡していないか(React 19では true / false で渡す)

確認のしかたは簡単で、検証用の環境にGutenberg 24.2を入れ、自分のブロックや画面を開いて、ブラウザのコンソールに「[wordpress-react-19]」で始まる注意書きが出ないかを見るだけです。注意書きが出ても今は動きますが、互換の仕組みは将来なくなる可能性があります。また、Gutenberg 24.2には、inert 属性をReact 18と19の両方で正しく扱うための新しいパッケージ「@wordpress/react-inert-value」も追加されています。

当社のサイトは、ブロックエディターを使わずクラシックエディターで運用しています(理由はClassic Editorの今後の記事に書きました)。それでも、プラグインを作る立場としては、エディターの部品の変化は追いかけておく必要があります。今回のように、配布ファイルの中身まで確かめると、発表の文章だけでは分からないことが見えてきます。

そのほかの主な変更点

分野 変更の内容
ノート(共同編集のメモ) 設定の欄と取り合っていたメモが、編集画面の横の余白に表示されるようになり、編集中も見える。画面が狭いときはアイコンだけになる
ナビゲーション 固定ページ・投稿・カテゴリー・タグをまとめて検索できるようになった。リンクの種類を変えるときに、作り直す必要がなくなった
ギャラリー 並び順(新しい順・名前順・ランダムなど)を指定できるようになった。ギャラリー全体に色の効果(デュオトーン)をかけられる
デザインツール 最小の幅と高さ、影、デュオトーンを使えるブロックが増えた
Interactivity API 信頼できるHTMLを表示する data-wp-html の追加。ページ移動の状態を知る state.navigating などの追加
そのほか 画像を切り抜いた後に元へ戻せる、動きを減らす設定を動画やカバーのブロックが守る、アイコンをキーワードで探せる など

まとめ:Gutenbergを入れているかどうかで、やることが変わる

Gutenberg 24.2のReact 19は、WordPress本体ではなく、Gutenbergプラグインを入れたサイトだけの変更です。入れていないサイトは何もしなくて大丈夫です。入れているサイトは、ブロックエディターとプラグインの画面が動くかを確認し、不具合があれば「設定 → Gutenberg」でReact 19をオフにしてください。自作のブロックやプラグインがあるなら、React 19が本体に入る前に、検証用の環境で注意書きが出ないかを確かめておきましょう。

「どのプラグインがReactを使っているか分からない」「更新したら管理画面が動かなくなった」という場合は、WordPressトラブル対応サービスで原因の切り分けからお手伝いします。自作のブロックやプラグインをReact 19に対応させたい場合は、カスタマイズ・プラグイン開発でご相談ください。更新のたびに動作を確認する手間を減らしたいなら、保守サポートサービスもご検討ください。

参考情報

この記事の内容は2026年10月17日時点の情報です。React 19がWordPress本体に入る時期が発表されたら、更新します。

この記事を書いた人

矢部 敦

矢部 敦合同会社Edel Hearts 代表

WordPress専門の開発会社を経営。プラグイン開発・カスタマイズ・保守を専門とし、18時間におよぶUdemyのWordPress講座を開講。出典付きで回答するAIチャットボット「Edel AI Hybrid Chat」開発者。著書『WordPress はじめての最小プラグイン』(Kindle)。本ブログの記事は、実際の開発・運用で得た一次情報をもとに執筆しています。会社情報はこちら

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