2026年8月19日に公開されたWordPress 7.1「Mary Lou」から、およそ1か月。その不具合を修正するWordPress 7.1.1の公開日が、2026年9月17日(UTC)と発表されました。日本時間では9月18日の未明にあたります。「7.1に上げたら編集画面がおかしい」「7.0系のまま様子を見ているけれど、いつ上げればいい?」という方に向けて、7.1.1で何が直るのか、アップデートすべきかどうかを整理します。
結論から言うと、WordPress 7.1.1は新機能を含まない「不具合修正だけ」のメンテナンスリリースです。7.1を使っているサイトは、公開されたら適用して問題ありません(自動更新が有効なら自動で適用されます)。7.0系で様子見中のサイトにとっては、7.1.1の公開が「7.1に上げてよいか」を判断する最初の目安になります。
この記事は2026年9月上旬、7.1.1のRC1(リリース候補版)公開前の情報をもとに書いています。修正内容の確定リストは正式公開後に追記します。
WordPress 7.1.1とは?メンテナンスリリースの意味
WordPressのバージョン番号は「7.1」のような2桁がメジャーリリース、「7.1.1」のような3桁がマイナーリリースです。マイナーリリースには、不具合を直すメンテナンスリリースと、脆弱性を直すセキュリティリリースの2種類があります。7.1.1は前者で、公式の発表でも「バグ修正のみのリリース」と明言されています。取り込まれるのは、7.1の開発中に入り込んだ不具合(リグレッション)と、7.1のリリース時に意図的に先送りされた問題に限られます。
直近の例で比べると分かりやすいです。7月9日の7.0.1は31件の不具合を直したメンテナンスリリース、8月6日の7.0.3は12件の脆弱性を直したセキュリティリリース、8月12日の7.0.4は1件の深刻な脆弱性を直したセキュリティリリースでした。7.1.1は7.0.1と同じ位置づけです。
公式スケジュールは次のとおりです。日本時間に直しています。
| 日程(日本時間) | 内容 |
|---|---|
| 9月3日〜9日 | バグスクラブ(対象チケットの選別)が4回 |
| 9月9日 | 次の7.1.2のマイルストーンが開く |
| 9月11日 未明 | WordPress 7.1.1 RC1(リリース候補版) |
| 9月15日 | 最終バグスクラブ |
| 9月18日 未明(9月17日 15:00 UTC) | WordPress 7.1.1 正式公開 |
7.1.2のマイルストーンが同時に開くことからも、7.1.1で全部が直るわけではなく、直せたものから順に出すという進め方だと分かります。
WordPress 7.1.1の修正内容(予定)
正式なリストは公開時に確定しますが、開発リポジトリ(GitHub)では、7.1.1向けのエディター側パッケージ更新に含める修正がすでにまとめられています。2026年9月7日時点で準備が進んでいる主なものを、サイト運営者が気づきやすい症状の順に整理しました。
| 症状・影響 | 修正内容(候補) | 影響を受けやすい人 |
|---|---|---|
| ギャラリーブロックの「画像を切り抜く」が編集画面で効かない | 画像にリンクがある場合に切り抜きが無効になる7.1の回帰バグを修正 | 写真を多く使うサイト |
| 画像のアップロードが失敗しているのに「完了」と表示される | 失敗時の表示を正しく出す。1枚用の枠へ複数ファイルを落とした時の扱いも修正 | 投稿者全般 |
| PNGのサムネイルの色数が変わる、容量が増える | インデックスカラーPNGの縮小版をインデックスのまま保持 | ロゴ・図版が多いサイト |
| 編集者・投稿者権限で投稿画面を開くとコンソールに403エラー | 設定取得の権限がないユーザーでも、起動時に不要なリクエストを送らないよう修正 | 複数人で運用するサイト |
| クエリーループのバリエーションを選ぶと編集画面が壊れる | 投稿タイプ指定がない場合に「投稿」を既定値として補う | テーマ・プラグイン開発者 |
| ブロックスタイルのバリエーションで余白(blockGap)が消える | theme.jsonの処理で、バリエーションの余白設定が捨てられていた問題を修正 | ブロックテーマ利用者 |
| 特定プラグインとの組み合わせで「重大なエラー」(後述) | フックのコールバックIDが数値になってしまう変更を、文字列に戻す修正が7.1.1への取り込み検討中 | WP Rocketなど一部プラグイン利用者 |
一方で、7.1.1では直らないものもあります。7.1でサイトエディターが真っ白になる報告は、古いブラウザが新しいJavaScript機能に対応していないことが原因で、ブラウザを更新すれば解消します。「サイトが真っ白になった」という報告の多くもプラグイン側の問題で、プラグインの更新で対処するものです。
7.1を使っているサイトはアップデートすべき?
はい、公開されたら適用してください。マイナーリリースは、WordPressの既定では自動的に適用されます。7.0.2のときは深夜から朝にかけて管理しているサイトから「自動更新しました」というメールが相次いで届きました。7.1.1も、朝起きたら適用済み、というサイトが多いはずです。
自動更新を止めているサイトでは、管理画面の「更新」から手動で適用します。不具合修正だけとはいえ、エディター周りのファイルはまとめて差し替わるので、更新前にバックアップを取る習慣は変えないでください。手順は安全なWordPressアップデート手順にまとめています。
7.0系で様子見中のサイトは7.1.1を待つべき?
当社が管理しているサイトの多くと、この記事を載せている自社サイトも、2026年9月上旬の時点ではまだ7.0系のままです。管理画面には「WordPress 7.1が利用可能です」の通知が出続けていますが、これは意図的なものです。当社ではメジャーリリースは公開後7週間程度は様子を見る、セキュリティリリースは即日適用するという基準で運用しています。7.1は8月19日公開なので、7週間後は10月上旬。その直前に出る7.1.1は「上げてよいか」を判断する、ちょうどよい目安になります。
待っている間の安全性も問題ありません。8月12日の7.0.4は、7.0系だけでなく4.7系まで遡って各系統に配信されました。7.0.4が適用されていれば、7.1に上げていなくてもセキュリティ修正は受け取れています。逆に言うと、7.0.4より古いままの7.0系サイトは、7.1へ上げるかどうか以前に、まずセキュリティ更新を当ててください。
ただし、様子見をいつまでも続けるのはおすすめしません。7.1の新機能解説で紹介したとおり運用が楽になる変更が多く、テーマやプラグインも7.1前提で更新されていきます。7.1.1が出て、使っているプラグインの対応状況が確認できたら、上げる計画を立ててください。
アップデート前にバックアップすべきもの

マイナー更新でも、戻せる状態を作ってから進めます。最低限、次の4つがあれば元に戻せます。
- データベース(投稿・設定・ユーザー情報のすべて)
- wp-content 配下のテーマ・プラグイン・アップロード画像
- wp-config.php と .htaccess(接続情報とサーバー設定)
- いま使っているWordPressのバージョン番号(戻すときに必要)
レンタルサーバーの自動バックアップだけに頼っている場合は、復元にかかる時間と手順を一度確認しておいてください。当社の保守サービスでは毎日7世代のバックアップを別の場所に取っていて、更新後に問題が出たときだけお客様へ報告する運用にしています。取り方の詳細はWordPressのバックアップガイドをご覧ください。
プラグイン・テーマへの影響と確認手順【技術者向け】
ここからは、テーマやプラグインを自作している方、複数サイトを管理している方向けの内容です。7.1.1で直るかどうかに関わらず、7.1で変わった仕様に自分のコードが引っかかっていないかを先に確認しておくと、7.1への移行がスムーズになります。
フックのコールバックIDが数値になる問題
7.1では、内部で spl_object_hash() が spl_object_id() に置き換えられました。その結果、クロージャや __invoke を持つオブジェクトをフックに登録したとき、WP_Hook の callbacks 配列のキーが従来の32文字の文字列ではなく整数になります。$wp_filter を走査して文字列関数に渡すコードは、PHP 8 の型チェックで落ちます。
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foreach ( $wp_filter['init']->callbacks[10] as $id => $cb ) { $prefix = substr( $id, 0, 3 ); // 7.1: TypeError: substr(): Argument #1 ($string) must be of type string, int given } |
WP Rocketで8月19日から20日にかけて起きた「サイト全体が真っ白になる」障害は、まさにこのパターンでした(特定プラグインとの併用時に発生し、3.23.2.2で修正)。コア側でも、IDに文字列の接頭辞を付けて整数化を防ぐ修正が開発版に入り、7.1.1への取り込みが検討されています。自作コードで $wp_filter や WP_Widget_Factory::$widgets のキーを扱っている箇所は、キーの形式に依存しない実装に直しておいてください。
そのほか7.1で確認しておきたい変更
- 投稿エディターが常にiframe内で動くようになった。document を直接触る管理画面用JS・CSSは、iframeの中を参照できているか確認する
- jQuery UI が 1.14.2 に更新された。日付ピッカーやソート機能を使う古いプラグインは動作確認が必要
- ブロックのCSSが「そのブロックが使われているページだけ」に出力されるようになった。REST APIで本文を取り出して別サイトで表示している場合、スタイルが欠けることがある
- メディア関連のREST APIエンドポイントの応答形式が変わった。アップロード処理を自前で組んでいる場合は要確認
確認の手順としては、ステージング環境で WP_DEBUG_LOG を有効にして7.1(公開後は7.1.1)に上げ、管理画面と公開側を一通り操作してログを見るのが確実です。「重大なエラー」が出て管理画面に入れなくなった場合の復旧は重大なエラーの直し方にまとめています。
自動更新が失敗したときの対処
自動更新は便利ですが、まれに「一部のファイルをコピーできませんでした」で止まることがあります。当社でも過去に発生し、SSHでサーバーに入ってコマンドで更新をやり直して解消しました。WP-CLIが使えるサーバーなら次の1行で済みます。
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wp core update --version=7.1.1 |
失敗の原因はファイルの所有者や権限、ディスク容量であることが多いので、まずそこを確認してください。
まとめ:7.1.1は「上げる目安」、判断に迷ったらご相談ください
WordPress 7.1.1は、7.1の不具合だけを直すメンテナンスリリースで、日本時間9月18日未明に公開予定です。7.1を使っている方は、バックアップを取ったうえでそのまま適用してください。7.0系で様子見中の方は、7.0.4が当たっていることを確認したうえで、7.1.1の公開と使用中プラグインの対応状況を見て、7.1へ上げる計画を立てるのがおすすめです。
「どのプラグインが7.1に対応しているか分からない」「更新して壊れたときに自分で戻せる自信がない」という方は、更新作業とバックアップ、問題が起きたときの復旧までを含めて当社がお引き受けします。WordPress保守サポートの内容をご覧いただくか、無料相談からお気軽にご連絡ください。いま使っているサイトの状態を確認したい方は無料AI診断もご利用いただけます。
この記事は、7.1.1の正式公開後に修正内容の確定リストを追記します。