WordPress 7.1にアップデートしたら、メディアライブラリをスクロールするだけで画像が次々と読み込まれるようになり、以前あった「さらに読み込む」ボタンが見当たらない。画像が数千枚あるサイトでは、目的の画像にたどり着く前にブラウザが重くなる。そんな戸惑いの声を7.1公開後によく耳にします。
結論から言うと、WordPress 7.1ではメディアライブラリのグリッド表示で無限スクロールが標準になりましたが、以前の「さらに読み込む」表示には簡単に戻せます。自分だけ戻すならプロフィール画面のチェックボックス1つ、サイト全体で戻すなら functions.php に1行のフィルターを追加するだけです。手順と仕組み、戻す前の注意点を、WordPress 7.1のソースコードを実際に確認したうえで解説します。
WordPress 7.1でメディアライブラリの何が変わった?
変わったのは、メディアライブラリのグリッド表示(サムネイルが並ぶ表示)と、投稿編集画面から開くメディアモーダルの読み込み方です。7.0までは一定件数のあとに「さらに読み込む」ボタンが出る方式でしたが、7.1からは画面の下端に近づくと自動で次の画像が読み込まれる「無限スクロール」が標準になりました。
実はこの無限スクロール、WordPressにとって新しい機能ではありません。もともとメディアライブラリは無限スクロールで動いていて、WordPress 5.8(2021年)で「さらに読み込む」ボタン方式に切り替えられたという経緯があります。理由はアクセシビリティで、キーボード操作でスクロール領域の後ろにある要素へ到達できない、スクリーンリーダーの利用者に読み込み状況が伝わらない、といった問題から意図的にボタン方式へ変更されたのです。
その後5年ほどボタン方式が続きましたが、画像の多いサイトでは「毎回ボタンを押すのが面倒」という声も根強く、7.1では既定値を無限スクロールに戻したうえで、ユーザーごとに元へ戻せる設定を追加する折衷案が採用されました。開発者向けの解説(dev note)によれば、共同創設者Matt Mullenweg氏の要望を受けて実装されたものです。
無限スクロールを「さらに読み込む」に戻す方法
戻し方は2通りあります。自分のアカウントだけ戻すならプロフィール設定、サイトの全ユーザーで戻すならフィルターフックです。どちらも数分で終わります。
| 方法 | 効果の範囲 | 必要なもの | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| プロフィールのチェックボックス | 自分のアカウントのみ | 管理画面の操作だけ | 個人ブログ・自分だけ戻したい人 |
| フィルターフック(PHP) | サイトの全ユーザー | functions.php か小さなプラグイン | 複数人で運用するサイト・制作会社 |
方法1:プロフィール画面で自分だけ元に戻す
管理画面の「ユーザー」から「プロフィール」を開くと、「個人設定」の中に「無限スクロール」という項目が追加されています。そこにある「メディアライブラリのグリッドビューで無限スクロールを無効にする」にチェックを入れて「プロフィールを更新」を押せば、以前の「さらに読み込む」ボタンが復活します。
この項目はファイルをアップロードできる権限(upload_files)を持つユーザーにだけ表示され、設定はユーザーごとに保存されます。「自分は戻したいが、他のメンバーは無限スクロールが便利と言っている」という場合でも、それぞれが好きなほうを選べます。

方法2:フィルターでサイト全体を「さらに読み込む」に固定する
お客様に納品するサイトや、複数の担当者が画像を扱うサイトでは、ユーザー一人ひとりに設定をお願いするより、サイト全体で一括して以前の動作に固定するほうが確実です。テーマの functions.php、または小さな独自プラグインに次の1行を追加してください。
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// メディアライブラリの無限スクロールを無効化し「さらに読み込む」ボタンに戻す add_filter( 'media_library_infinite_scrolling', '__return_false' ); |
テーマ本体の functions.php に書くとテーマ更新で消えてしまうため、必ず子テーマの functions.php か独自プラグインに書くようにしてください。管理画面のテーマファイルエディターでの編集は、1文字の間違いでサイトが真っ白になる危険があるためおすすめしません。
戻す前に知っておきたい注意点
まず、フィルターはユーザーの個人設定より優先されます。フィルターで false に固定すると、プロフィール画面で「無効にする」のチェックを外していても無限スクロールにはなりません。サイト全体で固定する場合は、その旨をメンバーに伝えておくと「設定を変えたのに反映されない」という問い合わせを防げます。
次に、アクセシビリティの観点です。5.8で「さらに読み込む」に変更された理由は、キーボードやスクリーンリーダーの利用者にとって無限スクロールが扱いにくいためでした。複数の担当者が更新する企業サイトや、自治体・教育機関など多様な利用者が管理画面を使うサイトでは、フィルターで「さらに読み込む」に固定しておくほうが安全な選択になることが多いです。
パフォーマンスの面では、無限スクロールはスクロールし続けるほどブラウザ上の画像が増え続けます。数千枚の画像から古いものを探すなら、検索ボックスや日付での絞り込みを使うほうが速く、ブラウザも重くなりません。
実際にWordPress 7.1のソースを確認してみた
ここからは、仕組みを正確に知りたい方向けの内容です。ローカルのWordPress 7.1環境でコアのソースコードを確認しました。無限スクロールの判定は wp-includes/media.php の wp_enqueue_media() 関数の中にあり、次のような流れになっています。
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$infinite_scrolling = true; // ユーザーがプロフィールの個人設定で無効化している場合 if ( 'false' === get_user_option( 'infinite_scrolling' ) ) { $infinite_scrolling = false; } // フィルター。@since 5.8.0 / @since 7.1.0 既定値をtrueに変更しユーザーごとの無効化を追加 $infinite_scrolling = apply_filters( 'media_library_infinite_scrolling', $infinite_scrolling ); |
ポイントは3つです。1つ目は、既定値 true、次にユーザー設定、最後にフィルターの順で評価されるため、フィルターの戻り値が最終結果を決めること。2つ目は、フィルター名が5.8から変わっておらず、当時「無限スクロールを有効化する」目的で書いたコードが7.1でもそのまま動くこと。3つ目は、ユーザー設定が infinite_scrolling というユーザーメタに文字列 ‘false’ として保存されることです(保存処理は wp-admin/includes/user.php)。この値は wp.media.view.settings.infiniteScrolling としてJavaScriptへ渡され、media-views.js で自動読み込みとボタン表示を切り替えています。1回の読み込み件数は media-models.js の posts_per_page で定義され、7.1では80件でした。
制作会社や保守担当が押さえておきたいこと
当社では保守サービスの一環として月1回の記事更新を代行しており、お客様のメディアライブラリを日常的に操作しています。そこで実感するのは、画像の探しやすさは表示方式より「ファイル名と代替テキストがきちんと付いているか」で決まるということです。検索できる名前が付いていれば、どちらの方式でも一瞬で見つかります。
また、当社の自社サイト edel-hearts.com は、この記事を書いている2026年9月上旬の時点でまだ7.0系のままです。メジャーアップデートは公開後7週間ほど様子を見てから適用し、セキュリティ更新は即日適用する方針のためで、更新の際はお客様のサイトも含め、今回の変更をどう扱うか事前に決めたうえで作業します。7.1の新機能全体はWordPress 7.1の新機能解説にまとめています。
まとめ:戻せる変更なので、慌てずに運用に合うほうを選ぶ
WordPress 7.1のメディアライブラリの無限スクロールは、プロフィール設定またはフィルター1行で以前の「さらに読み込む」に戻せる変更です。個人で使うサイトなら好きなほうを、複数人で運用するサイトやアクセシビリティに配慮が必要なサイトならフィルターで固定する、という判断が現実的です。
「自分のサイトの functions.php をどこで編集すればいいか分からない」「7.1に更新して良いタイミングを相談したい」という方は、無料相談からお気軽にご連絡ください。WordPressの更新やこうした細かな調整を任せたい場合は保守サポートサービス、管理画面を自社の運用に合わせて作り込みたい場合はカスタマイズ・プラグイン開発で承っています。